妙心寺は、大燈国師(だいとうこくし)から印可され、衣鉢(えはつ)を伝えられた花園法皇は、そのことへの報恩謝徳、仏法興隆のために、1342年花園の離宮を寄捨して禅寺としました。
師の大燈国師より「正法山妙心寺(しょうぼうざん、みょうしんじ)」の命名をうけ、その国師の高弟の無相大師こと関山慧玄(かんざんえげん)を開山として迎えられ、妙心寺は始まります。
その後、関山の法流は龍泉派、東海派、霊雲派、聖沢派の四派を立て、派勢は全国に広まります。
中国より伝えられた禅の法系が大半絶えましたが、大応国師、大燈国師、無相大師の「応燈関一流の禅」は現在でも臨済の法脈を絶やさず受け継がれています。
今の妙心寺の寺域には、塔頭寺院が50カ寺近くあり、石庭でも有名な竜安寺は妙心寺別院とも呼ばれます。
全国には3400を超える所属寺院があります。
山号 | 正法山(しょうぼうざん) |
開山 | 無相大師(関山慧玄) |
開基 | 花園法皇 |
所在地 | 京都市右京区花園妙心寺町 |
妙心寺は、臨済宗です。
お釈迦様から受け継がれた達磨大師(だるまだいし)、宗祖臨済禅師(りんざいぜんじ)、さらに無相大師に及ぶ一流の禅を宗旨及び教義とします。
本尊をお釈迦様を大恩教主として仰いで、尊崇します。
因縁より観世音菩薩等をおまつりします。
お釈迦様の教えをそのまま心に頂く宗旨なので、
とくに経典は一定しませんが、主に般若心経などをお読みします。
宗門は僧俗ともに禅の安心を求める同心同行であり、無相国師の「請う、その本(もと)を努めよ」のご遺戒(ゆいかい)と、花園法皇の「報恩謝徳」の聖旨(せいし)を体として仏法興隆を実践する教団です。
信条は自心仏であることを固く信じて坐禅にはげみ、本当の自分にめざめ、どんな困難にもくじけず常に脚下(あしもと)を照顧(みつ)めてくらしを正し、生かされている自分に感謝しつつ世の為、人のためにつくします。
生活信条
一日一度は静かに坐って、身(からだ)と呼吸と心を調えましょう。
人間の尊さにめざめ、自分の生活も他人の生活も大切にしましょう。
活かされている自分を感謝し、報恩の行を積みましょう。
信心のことば
わが身をこのまま空(くう)なりと観じて、静かに坐りましょう。
衆生(しゅじょう)は本来仏なりと信じて、拝んでいきましょう。
社会を心の花園と念じて、和やかに行きましょう。