皆様も「禅」という言葉を聞くと坐禅を連想されると思いますが、禅とは心の別名であります。
私達の心は、もとより清浄であって汚れもせず、傷つきもしない「ほとけ」でありますが、他と自分を対象化し距離や境界を築き、自らの都合や立場を守ろうとする自らの欲によって悩み・苦しみを作ってしまい、心に曇りを生じさせてしまいます。
世の中は、自分の欲のままにならないものです。
自分と他を分別する境界と距離を超えた自然のあるがままが真実の智慧であり、この世で起こりうること全てが偽りは無く、真実の現れです。
鳥のさえずる声は耳にそのまま聞こえ、目で見るものはありのままの姿で見え、花の香りは鼻でそのままの香りを嗅ぎ、舌で味わうものもそのまま味わい、身体で感じるものはそのまま感じ、どれにしても障りなく、妨げにならない自他の距離と境界を超えた真実と一如となれる自由自在な心のはたらきが、そのまま「ほとけの心」、禅であります。
一つの相にこだわらない無相、一つの処にとどまらない無住、一つの思いにかたよらない無念の心境を禅定(ぜんじょう)と呼び、その禅定に入るために用いるのが坐禅であります。
坐って行う禅、如来または禅定修行の坐相です。
静かに背筋を伸ばして坐り、精神を集中させる行法であります。
左右の足を組むことを結跏趺坐(けっかふざ)といい、片足を他の足のももに上に組んですわることを半跏趺坐(はんかふざ)といいます。
足を組むことだけが坐禅ではありません。
足を組むことが出来ない人は正座、正座が出来ない人は椅子に座って行えば坐禅になります。
最初から何十分とせず、1分でも静かに坐ってみてください。
日常生活で気付かない自然の音が聞こえてくると思います。
本堂での坐禅会を始めました。
毎月第2・4日曜日、午前7時から約1時間の坐禅会です。
費用はありません。坐禅したい方が自由に参加する会となっています。
初めての方でも指導いたしますので、希望する方は時間までにお越しください。
尚、1月、8月、12月は休会となっています。
坐禅会に参加する時、どのような服装がよろしいですか?
坐禅しやすい格好が望まれます。
ジャージなどの動きやすい服装でお越しください。
誰でも参加できますか?
坐禅を経験してみたい方であれば、檀家を問わず、坐禅会に参加可能です。
初めての方でも指導いたしますので、ご心配はいりません。