~支倉又兵衛常信菩提霊地~ 臨済宗 妙心寺派 日月山 桂藏寺
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年忌法要は、亡き人の命日に、亡き人を偲び、冥福をいのるために遺族が、菩提寺に依頼して霊前に経典を読んでいただいたり、法話を聞いたりする仏事をいいます。 年忌とは、命日に冥福を祈る仏事という意味であり、その中に使われる「忌」という漢字は、「いむ・つつしむ」という意があり、供養とは、供え養うという意があります。 この忌という漢字の構成をみると、 「己」と「心」という漢字から構成され、「自分の心」という意味でしょう。 供養の供という字もまた、「人」と「共」という漢字から構成され、「人と共に」という意味でありましょう。 ですから、 亡き人を思い返すことで、自分の心を思い返し育てる となるわけです。 ですが、私たちのくらしは、家事・仕事や時間に左右されて 多忙の日常を過ごし、なかなか自分を見つめる時間をつくれませんし、 ゆとりがありません。 年忌に当たり、故人様は皆様に自分の心を思い返す機会を与え、 その真心を供えて故人と一緒に自分の心を養っていくことが 年忌供養の意味でありましょう。
お勤めは家族がそろってされるのが理想的です。長い時間のお勤めより、毎日、欠かさず続けることが意義があり、大切です。 朝ならば、当然、歯をみがき、口をそそぎ顔を洗って心身を清らかに整えます。 お仏壇は、常にきれいに掃除し、整頓されているよう心がけます。 お水、お茶、ローソク、線香などは、常にきちんとそろえておきましょう。 仏飯(ぶっぱん)はご飯のたけたとき、一日一度は上げるようにします。 その他、珍しい頂き物や、故人の好物などをお供えするのは望ましいで すが、あまり長い間、お供えしっぱなしにしないようにします。 次に、おつとめの順序です。 1、ローソクを灯します。 2、線香を香炉の真ん中に立てる。 何本も立てずに一本でよい。 3、仏壇に合掌・礼拝する。 4、お経本(臨済宗日課経典など)を開き、鈴(りん)を3回打つ。 5、開経偈・懺悔文・三帰依文をお 唱えし、般若心経をお唱えし、 本尊回向を読む。 6、宗門安心章(そのうちの1章)と坐 禅和讃をよみ、先亡へ回向文を 読む。 7、四弘誓願文を三べんよむ。 8、鈴(りん)を3回打ち、合掌・礼拝 して終わります。
お墓の後ろに木の板のようなものがたっているのを見たことがおありでしょう。 あれは「卒塔婆(そっとうば)」といい、「塔婆(とうば)」とも言われます。 これは、古代インドの言葉、サンスクリット語で「ストゥーパ」に 漢字を当てはめたもので、お釈迦さまの舎利(お骨)をまつるために 建造されたお墓の意味であります。形は土饅頭型であり、今の塔婆の形とは違いますね。 これは、仏教はインドから中国、朝鮮、日本と伝来され、その過程に伴って塔の形が変化してきたものです。 日本では、五重の塔・三重の塔・多宝塔も皆、塔婆の変形なのです。
塔婆を建てることは、故人のために多大な功徳があるとされましたが、 私たちは、あのような塔を建てられません。 誰でも手軽に建てられる塔婆として、現在のお墓の後ろに添えられている塔婆に変化していきました。 塔婆は、回忌当たり年の間か1年を目安に下げたほうがよいでしょう。 いつまでも供えていると塔婆がたまってきてしまいます。 下げた塔婆は、古い塔婆入れなど墓地にあると思いますので、 そこに納めましょう。 無い場合は、墓地の管理者に聞いてみて下さい。 |