禅とは

 禅について
 
皆様も「」という言葉を聞くと坐禅を連想されると思いますが、禅とは心の別名であります。
 
私達の心は、もとより清浄であって汚れもせず、傷つきもしない「ほとけ」でありますが、他と自分を対象化し距離や境界を築き、自らの都合や立場を守ろうとする自らの欲によって、悩み・苦しみを作ってしまい、心に曇りを生じさせてしまいます。
 
世の中は、自分の欲のままにならないものです。
自分と他を分別する境界と、その距離を超えた自然のあるがままが真実の智慧であり、この世で起こりうること全て偽りは無く、真実の現れです。
 
鳥の声は、耳にそのまま聞こえ、目で見るものは、ありのままの姿で見え、花の香りは、鼻でそのままの香りを嗅ぎ、舌で味わうものもそのまま味わい、身体で感じるものはそのまま感じる。
 
どれにしても障りなく、妨げにならない自他の距離と境界を超えた真実と一如となれる自由自在な心のはたらきであり、そのままが「ほとけの心」、禅であります。